タイトルに偽りあり?!-モテキ感想

だいぶ前に予告した記事をようやく書き上げました。
ドラマ終わってから3ヶ月も経ってるから
需要があるのかどうか微妙だけど。。
漫画版モテキをベースにしつつドラマ版も分析していきます。

モテキ(4) (イブニングKC)


この記事のタイトルに書いたように
『モテキ』というタイトルが実は結構ミスリードなんですよね。

その点についてちょっと考察。
なお、いままでの記事を読んでくれた方はお分かりでしょうが
ぼくは『モテキ』の漫画もドラマも好きなので
そういう立場から書いていきます。


・幸世はモテ期ではない点

まず、漫画内で指摘されてるとおり
幸世の状態を「モテ期」と呼べるのかが微妙。

1巻を読んでいるときは
4人もヒロイン候補がいてオイシイ状況に見えるんだけど
実際には、電話やメールが重なったのは偶然であって
4人とも幸世にアプローチしてきているわけではない。

まぁ3巻で二股っぽい状況になるから
モテているとは言えないことはないかもしれないけど
なんだかゴタゴタしてる内にそんな状態になったわけで
「モテ期」っていうのとはちょっと違う感じ。

1巻で「いまから俺、モテちゃうんじゃないの?!」という予感
疑似体験させられたにもかかわらず
2巻以降、幸世の失敗ばかりを見せ付けられて期待が外れる。

そのへんがこの作品に対する批判につながる部分でもあり
また、作者の思惑でもあるんじゃないかな・・と思います。


この点、ドラマ版では幸世が「モテ期」なんですよね。
土井亜紀は漫画版の数倍媚びてるし
いつかちゃんはカラオケボックスでしっかりオトされてるし
なにより小宮山夏樹。
漫画版では他人にあまり興味を持たなかった小宮山夏樹が
しっかり幸世の方を見てるんですよねー。
最終回で幸世に自分を理解してもらって
カタルシスを感じてますからねー。


・そもそも恋愛漫画ではない点

次に、『モテキ』というタイトルは恋愛漫画っぽいタイトルで
ストーリー的にも1巻は
ヒロイン誰とくっつくのか、という流れになっている。

でも、この漫画って実は恋愛をベースにしつつも
恋愛はメインテーマじゃないんですよね。

自分に自信が持てなくて
人とコミュニケーションを取れなかった幸世が
自信がなくても人にぶつかっていくことに目覚める物語

脱・精神的ひきこもりをメインに描いた話だと思うんです。
特に最終巻4巻なんかは恋愛色がかなり薄くて
土井亜紀とのラストシーンなんかも、ややオマケ的に感じます。

モテキは恋愛物に見せかけて成長物語なんですね。

これまた『モテキ』というタイトルからくるミスリード。


一方、ドラマの方は、キャラクターの設定や視点を
うまくズラすことで恋愛要素を強めに盛り込んできました。

ドラマとしてはああいったすり替えが正解なんでしょうね。
漫画版をそのままに移植したのでは観ていて苦しくて
娯楽として物足りないでしょうから。



・タイトルに込められた意味

そうすると、この『モテキ』というタイトルは何なのでしょう?
モテ期でも恋愛物でもないこのドラマのタイトル。

特に意味はなし??
単に読者を釣りやすそうなインパクトのある言葉を選んだだけ??


ぼくはこの『モテキ』というタイトルこそが
この漫画のテーマを象徴しているんじゃないかと思います。

「モテ期」って言葉の持つ響きがそのまま
幸世の抱えている問題につながっていると思うんです。

モテ期って言葉は‘他人からどう思われているか
という観点から見た言葉ですよね。
この言葉自体が非常に「受け身」なニュアンスの言葉ですよね。

「受け身」というのはまさに幸世の欠点として
作中で土井亜紀や林田が指摘していること。

自分がどう思われるかに敏感で常に受け身な幸世の本質
(これはそのまま草食系男子の本質)を表しているのが
この『モテキ』というタイトルなんじゃないかなと思います。

以上、タイトルに関する考察でした。



・ドラマ版最終回について

ドラマ版最終回が素晴らしかったのは
恋愛要素を強くしたせいで途中まで見えづらくなっていた
幸世の成長という本来のテーマを一気に無理なく描いた点。

幸世は、相手が何を考えているのか分からない。
分からないから積極的に行動できない
恋愛においても自分が相手をどう思うかではなく
相手にどう思われているかばかりを気にしている。

「ねえ、俺のことどう思ってるの??どう思ってるの??」と
しつこくしつこく考えていましたよね。

受け身で引きこもり。

そんな幸世が成長することとなったきっかけが
島田との体当たりの喧嘩、小宮山夏樹との生活。

この2つのイベントを経て、幸世は気付く。
‘人間なんて分からないところだらけなのが当たり前
 相手がどう思ってるかどうかなんていつまでたっても分からない
 でも、伝えようとすれば伝わることも必ずある’

相手が何を考えているのか気にしていても仕方がない
自分にできることは、ただただ伝わることを信じて伝えること。

「誰かのモテキになる」
これって誰かを自分から積極的に好きになって
思いを伝えるって意味
ですよね。

この言葉は漫画の方にはなくて
作者がモテキに関するインタビューで言ったそうなんですが
まさにモテキのテーマを一言で表わしたもの
このセリフをラストに持ってきた監督はさすが!

そして、漫画版と違って
誰か一人に対して思いを伝えようとするのではなく
みんなに伝えたいと言って終わった点は
すがすがしい終わり方でした。

ラストの収まりがいいのは漫画版
だけど、テーマに忠実な終わり方はドラマ版
という印象です。

DVD版の結末はどうなってるのかな~。
知っている方がいたらちょこっと教えてください。


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この記事へのコメント

通りすがりです
2011年10月30日 21:39
モテキの感想、色々思い出しながら読ませていただきました。
共感できる所が沢山ありましたし、新しい発見もあって、とても面白かったです。

映画の感想も是非読んでみたいです。
2011年11月02日 01:15
通りすがり(です?)さん、はじめまして!

なんだか適当に書きなぐった記事ばかりでしたが、共感していただけたようでうれしいです。

映画も観たいのですが、なかなか時間がなくて観にいけてないです。観たら感想書きますね。

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